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「うわぁぁ!!ほほんとだぁぁ」
私がお財布とスマホを差し出すと、ママの顔は耳まで真っ赤かになっていた。
「有り難うユメちゃん」
「うん!」
「今日は、娘さんのお仕事見学だね」
「え?」
「娘さん、ママと帰るって言ってたから」
「ええぇ!?そ、そうなの?ユメちゃん。でも、ママ、まだこれからお仕事だから……えっとだから……」
ママが何を言いたいのか、私には全然分からなかったけれど、さっきの優しい人がママに“助け船”を出してた。
「ママ、お仕事忙しいみたいだね」
「そうなの?大丈夫よ!じゃまはしないもん」
そうしたら、他のお姉さんがまた「いいじゃない!居て貰いなさい。今日はどのみち塾は休みなんだから☆」と言ってくれて、ママはしぶしぶいてもいいよって言ってくれた。
「大滝先生の椅子に座らせてあげれば?どうせ今日は来ないんだし」
「すーーみーーませんー、先輩。有り難う御座います」
「色んな時があるわよ!!どんまい!!」
「良かったね、ユメちゃん」
「えへへーーー」
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