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「大丈夫!ママとかえるわ!」
私は小さな頭で考えたの。
ママの好きな人に会ってみようって!!
ママが言えないなら、私が言えばいいのよ!
大きなビルの自動ドア。小さい私だけでは開かない事が多いのがちょっぴり困る。
頑張ってみたけど、開かない……。
どうしようかと思っていたら、ちょうどビルに入る人が来たから、一緒に中に入り込んだ。
受付は、身長が足りなくて誰にも見つからなかった。
さ。ママのいるとこを探さなきゃ。私にとったら大冒険!
えっとぉ……
「ご用の方は二階の……にお越し下さい」
ここかな?
ちょっと読めない字があったけど、きっと大丈夫ね!
階段の曲がり角に差し掛かった時、私は誰かとぶつかった。
「うぷっっ!!」
「おっとぉ!?え!?子ども!?」
その人は足元にいた私にビックリしていたわ。
「迷子かな?」
「ううん。ママをさがしにきたの」
「ママはここで何をしている人か、分かるかな?」
「ジムインさん!」
「お名前は?」
「夢芽」
「あー?じゃなくて、ママの……」
「堀越のり子!」
「あ。堀越さんの娘さん?」
「うん!」
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