ママと私。

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良かった!ママの事知ってる人だった! 「ママね、今日お寝坊してね、わたしは保育園をお休みしたの。そしたらね、ママ忘れものをしてたのよ」 「そうなんだ。えらいね、届けにきてあげるなんて」 「うん!ばぁばがここまで送ってくれたの」 この人は、私の話にちゃんと耳をかたむけてくれるいい人。 時々、小さいからって私の話を取り合わない人がいるけど、この人は違った。 パンツスーツがよく似合う背が高くてスラーっとしたキレイな人。 「ばぁばは、帰っちゃったのかな?」 「うん!ママと帰るからもういいよって言ったの!」 「ふふ。そっかー」 ニコニコと優しく、私の歩幅に合わせて歩いてくれるし……。 「堀越さん」 「ふぁ!?灰野さん!な、な、何かしら」 「娘さんが見えてるよ」 「え!?」 「ママぁ」 「ユメちゃん!?なんでここに!?」 「忘れ物届けにきてくれたみたいだよ」 「え!?忘れ物!?」 ママはとても慌てて、カバンの中をあさっていた。 「あぁぁ……お財布……」 「うん!あとぉ、スマホもだよ!」
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