君を迎えにいくよ

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そしていよいよ、実行に移す日がやって来たんだ!! 遠い遠い道のりだった。 知らない景色、知らない駅名。 ドキドキした。 今海ちゃんが住んでいる所は、少し人里離れた場所にある果樹園農家。 果物狩りにやってくる観光客の人達向けに開放している場所があって、そして小さな民宿も営んでいて。 予約をすれば、誰だって利用出来る。 だから、私はお金を貯めて、自分で予約の電話をして、準備をした。 海ちゃんには内緒で。 「えっと……」 辿り着くまでに何人もの人に道を尋ねた。 皆親切に、そこまではこう行くんだよと教えてくれた。 「ここか……」 “御用の方はインターホンを押して下さい”ね。 インターホンを押した。 ボタンの向こうから声がした。 「予約していた朝倉です」 『あらあら。少々お待ち下さいね』 そして遠くで叫ぶ声がした。 『ちょっと海ーー!!お客さんの対応してくれるー?お母さん今手が離せないの!』 『えーーーー!!!!』 思いっきり嫌そうだな、海ちゃん。
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