0人が本棚に入れています
本棚に追加
「ご主人さま、壊れてしまいました」
「……」
「申し訳ございません、故意ではないのですが……」
「……出てって」
「はい?」
「出てってよ!」
泣き顔のまま告げられた。
俺は出ていくことも慰めることもできなかった。
「早く出てってよぉ……。泣き顔、見られちゃうじゃん……」
「か、かしこまりました…」
早くに部屋を出る。
中からは彼女の泣く声が聞こえる。
泣かせてしまった……。
慰めることもできないまま、時間がたってしまった。
最初のコメントを投稿しよう!