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「まひろ……」
もう一度キスをしながら、ベッドに腰掛けている体を優しく横たえてやる。
「んっ……ま、待って…」
唇が触れ合ったままで、強引に発言しようとする彼女に意地悪したくなり、待つどころか更にキスを深めていく。
ところがそのまま流されるかと思った彼女からの反撃で、胸をグイグイと押し返され、不本意ながらも体を手放す。
「ご、ごめんなさい…。だってまだシャワー浴びてないし……」
ああ、確かに。
俺は気にしないけど、まひろはそういうところ気になるらしい。
「……分かった。じゃあ今日は誕生日だし特別に一緒に」
「あの、ほら、ホテルのバスルームって狭いから……。お先に!」
そう言うが早いか、着替えやらなんやら素早く手に掴んで、バスルームへと駆け込んでいった。
ちぇっ…お預けか。
ベッドに1人虚しく寝転がると、さっき頭を過った受け入れがたい現実がまた甦ってくる…。
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