君といた場所

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そのバス停を訪れると、先輩はいつものように静かに本を読んでいた。 隣に座って、俺はいつもと同じように先輩に話しかける。 しかし、いくら喋っても先輩がこちらを向くことはない。当たり前だ。先輩はもうこの世にはいない。――いないんだ。 B「先輩……俺、ここに来るの今日で最後にします」 A「……」 B「みんな前に進んでる。俺だけ立ち止まってるわけにいかない…ですよね?」 A「……」 先輩は何も言わない。ただ、本を読み続けるだけだ。切なさに唇を噛みしめた。 B「じゃあ、俺行きますねーーさようなら」 やり場のない気持ちを断ち切って、ようやく腰を上げる。 出口まであと一歩のところで、背中を強く押された。 振り返ると、嬉しそうに目を細める先輩が立っていた。 A「ーー頑張れ」 その声に、笑顔に、懐かしさが込み上げた。溢れる涙を乱暴に拭くと、俺は深く深く頭を下げた。
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