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B「先輩。これ、ありがとうございました」
待合室で読書中の先輩を見つけ、持ってきた本を手渡す。
A「どうだった?」
借りた本を返し、いつもどおり感想を聞かれた。
B「面白かったです。特に、主人公の少年と、少年を振り回すバイト先の女性店長」
A「店長、強いよね」
B「無茶苦茶ですけど、二人の関係がなんとも微妙で…」
店長とバイト店員の立場とは、別の関係になりそうだけど、何故かそれ以上にいかない。
読んでてじれったいし、少年には親近感が持てた。
そして、続きが気になる。
B「続編は、まだでてないんですか?」
A「まだよ」
B「そうですか、残念。それじゃ、また明日」
待合室を出ようと、背を向けた僕に、先輩が声をかけた。
A「書き途中だし」
B「え?」
振り返れば、読みかけの本から視線をあげた先輩が、口元に指をあてて微笑していた。
A「ナイショ、よ。また、あした」
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