第1章

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B「先輩。これ、ありがとうございました」 待合室で読書中の先輩を見つけ、持ってきた本を手渡す。 A「どうだった?」 借りた本を返し、いつもどおり感想を聞かれた。 B「面白かったです。特に、主人公の少年と、少年を振り回すバイト先の女性店長」 A「店長、強いよね」 B「無茶苦茶ですけど、二人の関係がなんとも微妙で…」 店長とバイト店員の立場とは、別の関係になりそうだけど、何故かそれ以上にいかない。 読んでてじれったいし、少年には親近感が持てた。 そして、続きが気になる。 B「続編は、まだでてないんですか?」 A「まだよ」 B「そうですか、残念。それじゃ、また明日」 待合室を出ようと、背を向けた僕に、先輩が声をかけた。 A「書き途中だし」 B「え?」 振り返れば、読みかけの本から視線をあげた先輩が、口元に指をあてて微笑していた。 A「ナイショ、よ。また、あした」
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