事件一 復讐

10/20
前へ
/140ページ
次へ
 その事を伝えると、この店の店長、脇坂愛は、柏田克也と西田悟の子供時代の事を話してくれた。 「私たちは、家が近所だったという事で、仲良くしてました。特に、かっちゃんとさとちゃんは、仲良かったと思いますよ、絶対。でも、中学上がった辺りから、いきなり仲悪くなってしまったんです」 「その理由は何だったか、わかりませんか?」  脇坂愛は、首を振った。 「私にもわからないのです。ただ、かっちゃんはその頃から、さとちゃんの事を、タヌキ親父といって、バカにしていましたけど」  タヌキ親父と聞いて、あることに気づいた。女子高生も、彼の事をタヌキ親父と言っていたからだ。 「中学生なのに、タヌキ親父なんて、ひどすぎますね」 「そうでもありませんよ。さとちゃんも、かっちゃんのこと、キツネ目兄ちゃんと呼んでましたから」
/140ページ

最初のコメントを投稿しよう!

33人が本棚に入れています
本棚に追加