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「動機は、三〇年前の復讐でしょう」
所長は、納得したように、頭を縦に振った。
「君には、三〇年前の暗号も、説けているのだね」
私は、二人の幼なじみだという、脇坂愛という女性に会いに行ったことを、所長に話した。
「楠木理香は、夫と共に、話を聞きに言ったのだと思います。彼女もそう、話していましたから」
所長も、その話にうなずくようにしていう。
「柏田克也は、西田悟から、タヌキ親父と呼ばれていた。それを確かめるために、彼女は、脇坂愛に会いに行ったということだね」
「はい。なぜ彼女は、脇坂愛に会いに行ったのかというと、おそらく、三〇年前の事件の謎が、解読できたのだと思っています」
所長は、私のこの一言から、三〇年前の暗号も説けたことを察したようだ。
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