事件二 深夜〇時の怪

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「わかりました。とりあえず、由香のアパートに、いってみることにましょう」  私が答える前から、香織君は、三島由香のアパートに行くことを決めている様子だった。     三 「ここが、私が住んでいるアパートです」  喫茶店から電車とバスを使って、三島由香のアパートに着いたのは、四時頃になっていた。 「あの、友達の息子さんは、今は?」 「友達の家に遊びに行ってます」  その友達の家は、このアパートの三軒隣にあるというのだ。という事は、今は、彼女しかいないということか。 「それにしても、古びたお家だね」  三島由香から聞いた話によると、このアパートは、できて四〇年も建つらしい。 「といっても、来年の三月で、このアパートは取り壊す予定になってますけど」
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