事件一 復讐

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「というのが、今回の事件の見解なのです」  所長に頼まれてやってきた木内香織は、この事件の捜査のために、刑事に話を聞きにやってきた。警察の調書によると、三〇年前に殺された男性、西田悟(仮名)と、柏田克也(仮名)は幼稚園時代からのライバルだったらしい。 「三〇年前も、容疑者に挙がったんです。けど、証拠不十分なため、釈放されました」  隣にいる彼、牧野巡査は、私にそう説明してくれた。 「それで、例の暗号というのが、これというのですね」  私は、紙に書かれた文章を指差して、牧野巡査に説明を求めた。 「左様でございます」
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