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扉を開けたら、目に見えない透明の壁が行く手を阻んでいる。
先輩と、周りで嬉しそうにはしゃぐ女子たちが到着するのを見計らい、僕は普通に廊下に出ようとして壁に激突した。それは相当硬い素材らしく、僕は足と頭を強打してその痛みにうずくまった。人目には多少大げさに見えたかも知れないが…。
一連の僕の様子を近づきながら見ていた先輩と女子たちが、
「どうしたの?」
と、クスクス笑っている。
「痛たた…。わからないんだ!気をつけて。見えない壁がある!」
僕の真剣な様子に、みんな顔を見合わせ戸惑っている。僕は立ち上がってその壁に手を当てた。左から右へ、上へ下へ手を動かした。力をかけて押してみた。びくともしない。
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