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2 ミス・リスカと変態糞眼鏡、多汗症のシェヘラザード
「気が付いたか………死に損ないが」
最悪の目覚めだ。
広がる世界は死後の世界ではなくて、学ランに白衣を羽織った、長身クソ眼鏡こと秋海堂(しゅうかいどう)麒麟(きりん)が、私を見下ろす姿だった。
ってか、顔が近い。離れろよ。
「ここ何処。今何時」
「お前なあ。血だらけになったお前を運んでやった恩人への感謝はないのか?」
麒麟が銀縁眼鏡を細い指先で押し上げて、私を睨む。
スクエアカットの眼鏡は、さも呆れたように鈍く光った。
「どさくさに紛れて乳を散々揉みしだいた奴に言われたくない」
「なっ、あれは不可抗力だ!」
「嘘ッ! 最低! 変態クソ眼鏡!」
………冗談、言うんじゃなかった。
ベットの布団を引き寄せて、潜る。
永眠しよう。そうしよう。
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