2 ミス・リスカと変態糞眼鏡、多汗症のシェヘラザード

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「は。褒めなくとも構わん」 「黙れ、天災ジーニアス神に愛されたクソ眼鏡」 「一文字、言い間違えてないか。天才的な俺の事を」 「良い間違えしちゃった★てへぺろ★」 「大間違えを一文字で肯定するな。  搬送料、診察料に処置料金、この三月で、六ヶ月分だ。耳を揃えて返せとは言わん。ただな、こっちの気持ちも考えろ。  毎日、毎日、欠かさず自殺未遂を繰り返しやがって。  そんなだから、変なあだ名が付くんだよ。  ミス・リスカ、夏野松林(なつのまつばやし)ミサキ」  必ずミスするリストカッター女子でミス・リスカ。  言い得て妙。  ミス前提のミス・リスカ。  学校の三階から飛び降りても骨一本折れない頑丈さ。血が抜けて倒れても、何でか死なない。いつも必ず息を吹き返す、この死ぬ気のない自殺者を、誰もが迷惑がっていた。 「死にたくないんだから、自殺じゃないからな。童貞クソ眼鏡」 「童………新品だ。変な言い方をするな!」  変な言い方はそっちだろう。
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