第1章

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B「ふふっ、あははははっ」 A「っ!」 B「馴染みすぎ。見つからない訳だ。なにそれ、ダイスウ?」 A「数学です。実に面白い」 B「相変わらずの好奇心だね。そこも愛しいけど、もういい?」 A「覚悟はできております」 B「覚悟か。いちいちムカつくね」 A「恐縮です」 B「黙って」 俺が顔を近づけると、彼女は素直に目を閉じた。 静かに重なる唇。 ゲーム終了のスイッチだ。 その単なる皮膚接触は、それでも思わず震える程に甘やかで魅惑に満ちていた。 なかなか離せない。 しかし彼女の体は簡単にぐらりと仰け反った。 木造の壁にもたれ掛かる。 意識不明の彼女の目から涙が溢れて、頬の上で形を成していく。 出来上がった小さな生き物の、小さな瞳が、鋭く俺を刺した。 俺の好きな、彼女の眼光。 俺も体を椅子に座らせた。 少女の隣に。 そしてこの肉体から、分離した。 B「帰ろう」
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