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刹那の如くだった。いや、厳密に言えば何も変わってないように見えた。目の前には自分の部屋の白い壁。しかしカーテンは閉め切られ、空気も淀んでホコリっぽい。周りを見渡せばパソコンも無ければ何も無い。新築、いや空家という印象を受けた。
「うっ……ん……」
いきなり彼女が崩れ落ちた。しかし、意識を保つようになんとか腕を床に突いた。
「だいじょう――」
なんだ? なんか……気持ち悪い。めまい、吐き気、頭痛。まるで酔った感覚だ。しかし度合が強すぎる。俺もその場に尻もちを突くように座った。
「よし! 行くわよって……」
回復が早い。俺はまだこの酔いから覚めきれていないというのに……
「転移酔いね。まぁ、最初ならそうなるけど、急いでるから次行くわよ!」
また彼女は俺の腕を掴んだ。すると先ほどの酔いに更に追い打ちをかける気持ち悪さが到来。もう吐いてもおかしくない。それもなんか床が変わってる。下しか今は見れないが、なんか違う場所に来ている感覚がある。
「ちょっと! 本当に来ちゃうなんて!」
知らない女性の声が聞こえる。しかし俺は吐くのを堪えるあまり、なんか意識が薄れてきた。ヤバイ。このままだと何か出そう……
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