教室の戸って、こんなにも禍々しいものだったっけ?

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担任が入ってきた。 いったいあの状態のセンパイをどうして入ってきたのか。 「その前に誰か……史也!アレを何とかしてこい」 先生も手を焼いているのはわかっていたが、どうやら放置してきたようだ。 「嫌ですよ!」 「嫌でもやれ。あんなんでも生徒会長だぞ」 「だから嫌なんですよ!」 「お前は生徒会役員だろ?」 あんなセンパイのアミダクジなんか、信用できるか! 「早くなんとかしないと、欠席扱いにするぞ」 「ひ、ひどい!」 今朝からかなり頑張ったのに。この仕打ちはひどい。 でも欠席にされるのは嫌だ……。皆勤賞狙ってるのに。 僕はしぶしぶ、戸に手をかけた。 教室の戸を開けたら、そこには何事もなかったかのように、廊下に布団を敷き、布団の中で眠るセンパイがいた。 僕の高校生ライフは、まだ始まったばかり……。 ***end
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