教室の戸って、こんなにも禍々しいものだったっけ?

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布団の真横に立った僕の隣に、そそそと相田が寄ってきた。 「今日も一番に教室に来たと思ったんだけど……もう、敷いてあったんだ」 もぞ、と布団が動く。僕はそれを見逃さず声をかけた。 「いい加減にしてくださいよ、センパイ!」 腰に手を当ててポーズをとっても布団の中からは見えないだろうけど、毎度のことで呆れも混ざり、意味がなくてもやるようになった。 布団の中からすぽっとなにか出てきた。カバーにシワのよった枕が、細い腕と共に僕の足にパンチをくらわせたのだ。痛くはない。 「ここはセンパイの教室じゃないって何日言えば分かっていただけるんですか?」 枕を拾い上げると、白くて細い腕がもそもそと動く。枕を探しているようだ。そして、返事があった。 「365日言われてれば、わかりますぅー……ふぁぁんっ」 日曜祭日は言ってない。 「もう先生来ちゃうんで、片付けてもらっていいですか?」 「ここの担任、今日休みだってぇ……よかったねぇ」 ふにゃふにゃりと眠そう。 「じゃあ副担来るんじゃない?」 と、相田。布団からは「よかったねぇ、担任来ないならまだ寝れるわぁ」と相田のコメントはスルー。
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