教室の戸って、こんなにも禍々しいものだったっけ?

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布団の中にいるのは、留美子(るみこ)センパイ。1/2の作者とは関係ないそうだ。この高校の三年生で僕らは一年。 そして毎朝他人の教室でお布団敷いて眠ってるセンパイを起こすのが、僕の役目……らしい。 「もう五分もすれば先生来ますよ!」 「じゃあ~あと十分眠るぅ」 「先生来てから五分も経ってから起きるんですかっ?」 「じゃあ、起きない~」 頭をかきむしりたくなった。 教室には次々と生徒が入ってくる。入学してから毎日見ている光景なので驚く者はいないが、早くなんとかしてくれという視線が僕に突き刺さる。 どうして僕がこんな目にあわなきゃならないんだ。 「布団から出てきてくれないなら、布団をひっぺがしてやるまでです!」 掛け布団に手をかけた。ぐ、と中から押さえられている。 「無駄な抵抗は……っ」 「全裸だけどいいの?」 「やめ……えっ?」 布団から手を離してしまい、尻餅をついた。 「全裸だけどいいの?」 さっきまでのふにゃふにゃ声じゃなく、かなり冷静な声で壁を突き付けてくる。 「おねーさん、全裸だけどいいの?」 ……寝るときは衣服を纏わない主義ですか。
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