教室の戸って、こんなにも禍々しいものだったっけ?

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「き、きゃあぁぁぁぁ!?」 突然隣の相田が悲鳴をあげた。なんだ!? センパイの全裸姿でも想像したのか? と思ったら、相田の足首を布団の中から伸びてきた手が掴んでいた。しかもズボンの裾の中に指を入れて、靴下を引き下ろしている。 「なにしてんですか、センパイ」 「あれ、ふみの足じゃないの?間違えた?」 「間違っても僕はあんな悲鳴はあげません」 手はするすると布団中に戻っていった。しかし僕はそれを逃さない。 「掴まえた!」 戻りかけの細い手首を両手で掴む。 「乱暴はいやー」 「その手にはのりません!」 「わたしの手に乗っちゃやだよぅ」 「それは乗るんじゃなく踏みつけてますよ!」 あー言えばこー言うセンパイだなぁ!レベルは低いけど。 「仕方ないなぁ」 布団の中から聞こえたら声に、僕は何故か背中がゾクッとした。またあの冷静な声だったからだ。 掴んでいた手の力を少し緩めた、その隙に。逆に僕の手首が握られていた。 そして。 どんな荒業か世界がひっくり返ったような、頭の中が追い付かない速度で僕は、横倒しにされ、引っ張り込まれた。 布団の中に。
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