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「き、きゃあぁぁぁぁ!?」
今度のは間違いなく、僕の悲鳴だった。
無様に布団から這い出す僕を、相田が見下ろしている。しかし、あの布団の中は……!
「ふふふ、君が初めてだよぉ?ふみくん~、わたしのお布団に入ったのはぁ」
なんだか不気味で、楽しそうな声が聞こえる。
「おいでぇ~、添い寝してあげよぉかぁ~」
全力で遠慮します!
僕は敷き布団と掛け布団を一緒にわし掴むと、そのまま教室の外へと引っ張り出した。
「ふみくんは、センパイをこんな冷たくて固い廊下で寝かせるのぉ?」
「大丈夫です、廊下も教室の床も変わりありません」
ぴしゃん、と教室の戸を占めた。
すると相田が、そそそと寄ってきた。
「ふみー、お疲れさま」
「朝から三日分疲れた……」
「ちなみになんだけど、布団の中ってどう……なってたの?」
「興味ある?センパイの全裸」
「う、ううんっ!そういうんじゃなくてっ」
顔を真っ赤にして否定する相田。
「ふみが、あんな悲鳴あげたから……」
「聞くな、忘れろ」
「ふみが、そう言うなら」
少し不満そうだが、相田は納得してくれたようだ。
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