教室の戸って、こんなにも禍々しいものだったっけ?

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教室の戸に背中を付けたまま、相田とやっと終わったと笑いあう。教室の中でも同じく、やっと終わったとクラスメイト達が机を戻している所だった。 と、背中の戸に衝撃が襲ってきた。 かなり腰にキた。 耳に聞こえたのは、ど、ばんっ!!というなにかそこそこに柔らかいものが全力でぶつかってきたような音。 僕と相田は同時に振り返った。 教室の戸にはめ込まれたガラス窓に、二本の手が張り付いていた。 その下から真っ黒な頭が覗き、徐々に前髪を覗かせ、最後に目が出てきて……目があった。 目があった! 「「ぎ、ぎゃあああぁぁぁぁぁぁ!?」」 にたー……と笑うのだ。目だけで。瞳の奥から、楽しげに。 ほつれた髪の毛が片目をさえぎり、青白い頬には赤い跡がついている。 たぶん寝癖と、枕のシワの跡だと思うけど。 こんなセンパイがいる学校、嫌だ。 毎朝教室の戸を開けるのが、嫌だ。 ギャグかホラーかどっちかにしろ。 ずるりずるりと、張り付いた両手が滑り落ちていく。 そして、再び教室の戸は開かれた。 「ホームルーム始めるぞー」
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