第5章 【破滅の剣】

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「なんだか……可哀想」 チェルシーが見る間にしょげかえっていく。 ここは何か言って慰めてやらないとダメか。 なんて考えていたら。 「残念ですが、今のあなたにはどうしようも出来ない事なんです。全ては終わってしまった過去の話なんですから」 デックがこんな事を言うとは思わなかった。 …………いや、こいつなりの慰め方なんだろうな。 それにしては、デックの表情がえらく深刻そうなのが気になるが。 「ぉおっし、それじゃあボクが追悼の意を込めて、一曲歌っちゃうかなッ!」 手をぷらぷらと振った後、エクがハープを構えた。 そういや、こういう時はいつも、エクは周りが暗くならないよう気に掛けて明るく振る舞ってくれてたっけな。 こいつの優しい所は、何年経っても全く変わらない。 「コホン…………それでは一曲。タイトルは『死んじゃったけど、来世でワッショイ♪』」 「エク……勘弁してくれ」
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