第5章 【破滅の剣】

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だが。 他の2人を見ると、どうやらこいつらも乗り気なようで、チェルシーに至っては、「わー、なんかワクワクするねっ」と、早くもダメなムードだ。 「……デック、お前は、行くの?」 「はぁ……。私は王妃様に従うだけです」 「いい歳して何でも上に従うだけじゃあ良くないぞ。お前、いくつだっけ?」 「19です」 「げ、なんだよ。おじさんは俺だけか」 デックが落ち着きすぎていて気が付かなかった。こいつ、思ったよりも若いぞ。 見た目だと24、5歳くらいかと思っていたが。 「大丈夫っ、君たちはボクが守るからねっ!」 一番のガキが胸を張って何を言うか。 そもそも張る胸もないくせに。 仕方がないので、ここは俺が仕切る事にした。 「分かった。けどな、この船は定期船だから、船長にボート出してもらって行くしかないからな」 「はーい!」 「エク、お前は勝手に突っ走らないで、皆と足並みを揃えること」 「はいは~い!」 「チェル、君はサポートに回ってくれ。町の中だ、どこに市民が隠れているか分からないから、危なっかしい攻撃魔法は控えるように」 「うん!」 「えーっと……デックは、」 「はい!」 「特に無いな。それじゃあ各自昼食後、ここに集まるように。解散!」 キャッキャしながら、チェルシーとエクが食堂へと続く階段を下りていった。 よし、そうと決まったら俺も戦闘準備をしておくか。 「あの……フォロン」 「ん?」 振り向くと、何故か哀愁を漂わせているデックが俺の事を見下ろしていた。 「いえ……なんでもありません」 やはり20代の哀愁を漂わせながら、デックは甲板を後にした。 なんなんだ、あいつは。
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