第5章 【破滅の剣】

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天気は良好、絶好の航海日和だ。 定期船の運航は順調。 空からけたたましい鳴き声をあげて急降下してくる“海賊カモメ”たちの嘴を避けながら、デックは普段通り、大剣を振るっている。 正直、あいつの背丈ほどある大剣を甲板で振り回されると、かなり迷惑なんだが……まあいいか。 そんで、メインマスト付近には、魔法の杖を構えた少女チェルシー。 彼女よりも大きな魔物の翼に煽られながらも、どうにかやっているようだ。 昨日は、クラーケンの足に気をとられている隙に、これまた上空から現れた“軍艦カモメ”に吹き飛ばされていたから、戦闘のスキルはちょっとずつ上がってるんだろうな。 ちなみに、オータムリーフの魔法も少しずつ練習はしているみたいだが、まだ実戦で使ったことはない。 だから、俺もこの目で見たことは、まだ1度もない。 大戦の時は、オータムリーフの魔法使いたちは常に前線にいたから、その植物の魔法がどんな物なのかを知っている奴は、実際の所、数少ない。 何せ、その魔法を見た奴は、だいたいすぐにその魔法を食らって死んでいるんだからな。 戦闘開始から大体3分。 そろそろか。 俺は、物陰から辺りを窺った。 昨日は船長室の屋根から飛び降り。 一昨日はマストのてっぺんから滑り降りてきた。 今日は、どこから来る……?
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