第5章 【破滅の剣】

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倉庫を出た俺達は、シェンの指示で倉庫地帯を抜け、市街地へと進んだ。 案の定、人の姿はない。 「アニキは毎回妙な実験で周りに迷惑掛けるからね。何があってもいいように、有事の時は緊急避難措置が取られるんだ」 シェンが、民家の屋根に取り付けられている渦巻き型の金属を指して言った。 「広域放射性警告発令魔具二型、通称マキコちゃん。アレ、俺の発明」 ドヤ顔で言われても、何に使うのかいまいち分からない。 見ろ、チェルシーなんか異国語で話しかけられている時みたいな顔をしているぞ。 市街地もあと半ばという所まで来た時だった。 最初に気が付いたのは、しんがりを務めていたデック、その次は、意外にも先頭を行くシェン。 「あっちゃー、みつかったか」 言葉の内容とは裏腹の明るい声色に、デック以外は、武器を構えるのが僅かに遅れた。 ちなみにシェンは、初めから武器を持っていない。 「皆さん、上です!」 誰よりも素早く背中から大剣を外し、デックは頭上に掲げた。 瞬間、空からスコールのような羽根の矢が降る。 「きゃあっ!」 今の悲鳴はチェルシーか。 俺は咄嗟にマントを翻し、すんでのところで攻撃を避けた。 厚手のマントだというのに、何本かはマントを貫通して皮膚を切る。
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