第5章 【破滅の剣】

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「それじゃ、俺達も行こうか」 エクとデックの姿が建物の裏に消えるのを見守ってから、俺はチェルシーに声をかけた。 さっきから空が騒がしいだけではなく、建物のそこかしこから、がさごそと何かが這い回る音が聞こえていた。 ……こりゃ、俺達も急いだ方が良さそうだ。 「走ろう。シェン、発電所はどこにある?」 「まっ、まっ、待ってくれよ」 何故か動揺しているシェンが、後ずさりを始めた。 「なん……」 「フォー、危ない!」 聞き返す間も無い。 突然、背後からチェルシーの声が聞こえた。 さっきまでちょっと離れたところにいたよな、そう思いながら振り返ると、俺に背を向け、チェルシーがよこざまに杖を構えていた。 そのチェルシーから僅か1メートル先、何かが地面の辺りで痙攣している。 巨大な蛇の魔物、パンパサーペントだ。 「おぉ、かっこいいなあ魔法使い」 シェンがニタニタしながら拍手をしている。どうやらチェルシーが、俺の背後にいたパンパサーペントをやっつけてくれたようだ。 ちなみに、物理攻撃で。 「ありがとう」 そう言うと、チェルシーは返事の代わりににっこりと微笑み、再び俺に背を向けた。 なんだ、随分頼もしくなったな。 とは言え、辺りを見渡すと、いつの間にか俺達は囲まれていたようだ。 非常事態になったら、あの武器を使うしかない。 デックとエクという主戦力が不在の今、俺がやるしかないわけで。 「なるべく穏便にいきたかったなぁ」 腰元から引き抜いた刃を構えると、俺はすぐそこまで来ていた巨大な蛇の頭に一撃を食らわせた。
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