第5章 【破滅の剣】

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まだ、あと何体残っている? いい加減、ここにいるやつら全員を相手にしていたら、いつまで経っても発電所まではたどり着けない。 「……仕方ない」 俺は、左腰に装着していた黒革のチョークバッグに手を掛けた。 スラスを引き、バッグの中から手のひらサイズの黒いカードケースを抜く。 「なるべくなら使いたくなかったんだが、仕方ないな」 俺は、ケースの中から1枚、カードを引き抜いた。 青い背景に、金色の古代文字。真ん中辺りには、ややレトロがかった獅子のイラスト。 カードの右上には、縦に3本の線が引かれていて、残りの回数が3回であることを教えている。 「いくぞ、」 俺は、カードを胸元に当てた。 が、カードが発動する直前、辺りの地面を深紅の焔が舞った。 「おっと!」 反射的に跳び跳ねるが、焔は燃え移って来ない。 魔法、か? 俺の足元を焼いているはずの焔だが、触れてみても全く熱くなかった。 しかしパンパサーペント達には効果が絶大だったようで、広場はたちまち焼かれた魔物の死骸で埋め尽くされた。 「ま、まさか」 俺は、後ろを振り返った。 民家の窓の向こう側。 そこにいるはずのシェンが、俺と同じようなカードを持ってニタニタ笑っていた。 シェンの隣には、空飛ぶ金髪美女。 その華奢な左手には、金の天秤を掲げている。 「げ…………げっかせいれぇーい!!?」 フォロン・イケガミ、27歳。 俺は、絶叫した。
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