第5章 【破滅の剣】

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「回復魔法が、使えない……?」 チェルシーは、少なからずショックを受けたようだった。頑張って練習したって言ってたもんな。 「ちょ、これは俺の憶測だけど、きっと大丈夫だよ」 呆然としているチェルシーを励ますためか、シェンは慌てて付け足した。 「君、魔導師じゃなくて魔法使いでしょ。本来の魔法使いの力がついてきたから、魔導師の方の力が弱まってきたんだって」 つまり、勉強で会得した回復魔法が使えなくなる代わりに、オータムリーフの魔法が今後使えるようになっていく、という事だろう。 「それじゃ、これから先は植物を生やすことしかできなくなるのかぁ……」 チェルシーは更にがっかりしたようだった。 チェルシーの頭の中では、きっと 植物魔法=園芸、又は食べる為の物 の構図が浮かんでいるのだろう。 俺だって、未だに攻撃魔法としての植物のイメージが湧いてこない。 攻撃として出すとすれば、例えばツルで巻き付くとか、毒のある植物での攻撃なのだろうか。 「そういえば、薬草も草だよなぁ」 何気なく、俺は呟いた。 「そっか、そうだよね!」 何を思い付いたのか、チェルシーは、下ろしかけていた手を再び傷口に向けた。 これには俺だけじゃなく、シェンもぎょっとする。 「なに、何をするっ?!」 まさか、薬草を出すつもりなのか? 「いでよ……薬草っ!」 チェルシーは、自信満々で高らかに言った。
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