第5章 【破滅の剣】

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「さすが俺の結界。一網打尽ですな」 地面に落ちている死屍累々を見、シェンは鼻息を荒くした。 「いや、これは……」 チェルシーの魔法のお陰だと訂正しようとしたが、結局俺は口をつぐむことにした。 頑張ってくれたシェンの気を悪くさせるのもよくないし、何より、チェルシーが目立てば、その分チェルシーの正体がばれる危険も増えてしまう。 「……シェン、召喚カード使わせて貰ったよ。ありがとう」 使用回数1回きりの召喚カードは、いつの間にか俺の足元に散らばっていた。 戦闘を終えた有翼戦姫達が、カードに戻ってしまったのだろう。 「オモチャは遊ぶ物ですからね。気持ち良かったでしょ」 使い終わったカードを拾い集めながら、シェンがニタニタ笑う。 「良かったよ」 俺も一緒にカードを拾いながら、シェンにそう答えた。確かに、高級カードを使いまくるのは気持ちが良かったな。 「後はアニキの始末だけ、かぁ」 ハンカチをポケットにしまうと、シェンは少し残念そうに、電波塔を見あげた。 シェンの兄、セイが取り扱っている謎の石。 それをどうにかできれば、今後この町の結界を破って魔物がやって来る事はなくなるはずだ。 話を聞くに、随分重い石のようだが。 「使ったものは最後はちゃんと始末してくれるといいんだけど。アニキは杜撰だから」 「ちなみに、その石はどのくらいの大きさなんだい」 俺とデックで持ち上げる事ができれば、ボートに積んで再び海に棄てる事ができるかもしれない。 その場合は、かなり沿岸まで運ばないといけないが。 「このくらいかな」 シェンは、自分の胸の辺りの高さに両手を持ってきた。 と言うことは、高さは大体140センチくらい……か? 「結構大きいな」 「あ、丸い訳じゃなくて、こう」 と、シェンは胸の辺りに置いた両方の掌を、自分の身体の幅に沿わせるように下に動かすと、縦長の四角を作ってみせた。 俺が想像していたのは、岩石のように丸いフォルムだったが、どうやら、石碑のような板状の形をした物らしい。 「最初は歴史的な価値がある物かと思ってさ、詳しく調べようと思ったらこのありさまだ」
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