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支社対抗で壇上で歌って踊らされるカラオケ大会。
どの支社が一番盛り上がるのかを見られているという噂は本当なのかウソなのか。
谷原以上に骨の髄までニッコリクレジットに染まっている人達は、心の底からこのカラオケ大会を楽しんでいるように見えてあるいみ怖い。
集団マインドコントロール。
そんな言葉が脳裏をかすめていく。
もちろん、私もそのマインドコントロールされている人のうちの一人なのだ。
恐ろしい。
名古屋支社の面々が集まり、どのような振り付けでいくのかを話し合っている。
ぶっつけ本番な割に完成度の高さを目指そうとする向上心には恐れ入る。
ここでもお局的なポジションを得ている谷原は鷹揚に返事をして言われた通りに踊って口パクしていればいい。
檀上では焼売支社(横浜支社)の人達が歌って踊っている。
それなりのキャパの講堂がカラオケ場となっているのだ。
好きな人にはたまらないであろう。
焼売支社の次はキビ団子支社(岡山支社)でその次に味噌カツ支社(名古屋支社)の出番だ。
さらにその後はたこ焼き支社(大阪支社)と続くようだ。
悪名高いカラオケ大会は、支社対抗のカラオケが3順した後、本社役員のカラオケになり大昔の知らない曲がかけられる中、今まで以上に盛り上げなくてはならないという恐ろしい伝達がまわってきて、どこで合いの手を入れたらいいのか分からないような曲なのにやたらめったら盛り上げられていた。
そして、社長やら社長夫人までおでましになり、大変な盛り上がりを見せた(半ば無理やりに)
最後は新卒での研修のフィナーレで覚えさせられ歌わされた軍歌! 『同期の桜』を永遠と歌わされるというなかなかの酔狂ぶりでみんなやけくそに声を張り上げていた。
かくいう谷原も涙を流して感動を演出している参加者に若干引いてはいたものの、悪目立ちしない程度には同じように飲んで歌った。
そして、部屋に戻ってから倒れるように寝た。
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