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「考え事出来ないくらい俺に夢中にさせてあげる」
「――ッ」
今までゆるゆると私の首筋や鎖骨辺りを辿っていた彼の唇が、突然湿り気のある柔らかい感触へと変わり、私の体は敏感に反応を示した。
彼の指がウエストを撫でて、するりと服の中に侵入してきたことにも反応を返す。
「……梗子さん……可愛い」
掠れた声でそう囁かれたら、もう彼の言葉通り考え事なんて出来なくなった。
何年も待っていた彼を私の体は歓喜を表すようにビクビクと反応し、彼を煽るように声を上げて受け入れた。
その後のことは所々しか覚えていない。
とにかく必死に彼にしがみついて、時折囁かれる愛の言葉と彼の甘い吐息に幸せを感じていたことしか……。
「――梗子さん……好きだよ……俺のことだけずっと見てて」
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