Prologue

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そうやって何度も後悔して失敗してきたはずなのに、どうして同じことを繰り返してしまうのだろう。 仕事だったらこんなこと絶対にないはずなのに、恋愛になると上手くいかないのはなぜ? 「……海斗くん……好きだよ……私も海斗くんが大好きだったんだよ」 彼が見えなくなってから本音を口にする。 一度も彼に伝えることが出来なかった私の本心。 ちゃんと伝えていれば何か変わっていただろうか? 私の恋愛はやはり後悔することばかり。 春が別れの季節だと感じてしまうのは、後悔しか残らない自分の恋愛の仕方に問題があるのだと、こうなった今やっと気付いた。 「海斗くんっ!」 見栄もプライドもかなぐり捨てて、愛しい彼を無我夢中で追いかける。 神様お願い!彼を引き止めて! そう祈りながら必死で必死で走った。 図書館でしか会えなかった彼と、ずっとずっと一緒に居るために――。
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