第1章

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教室の戸を開けたら、そこには赤色の服と帽子を着たサンタクロースがいた。 あれ?と気が付くと同時に僕は固まってしまった。 「今って12月だったけ?」 とボソッと自分に問いただした。つい最近に2学期が始まったばかりだと思っていたがどうしたのだろう。 もしかすると、ボーっとしがちな僕のことだからそれは思い違いであって実際にはもう今年が終わろうとしているのかもしれない。 てか、サンタクロースって存在しない人で本当は両親でしたーっていうやつじゃなかったっけ。 戸を開けて身体と思考が固まりながら、頭の中では高速審議中である僕に目の前のサンタクロースは慌てて話しかけてきた。 「私、今研修中なので親御さんに報告をするのはやめてください。」 と話しながらのスムーズなスライディング土下座が目の前で起こった。 あっけにとられたがバカらしくなり、変な緊張感はなくなったので質問を投げかけてみた。 「というかあなたは本当に本物のクリスマスに現われるサンタクロースさんですか?」 「本当に本物です」 少しの間教室内が静まり返った。この会話は誰かに聞かれていたとしたら、こいつらバカなのかと思われそうだ。僕なら思う。 「僕の両親と何か関係でもあるんですか? 何もないような気がするけど」 「今の子供たちは知らされていなかったんですか。墓穴を掘ってしまったようですね。私のことを見られてしまったのでもう話してしまいますが、ここだけの秘密ですよ。実は……」 と少しワクワクしていたときにコツコツとこちらに向かって歩いてくる音が聞こえた。
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