第1章

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瞬時に二人(?)で教室の隅に匍匐前進でもし始めそうな格好で地面に伏せた。 「まずいですよこれ。教室に入ってきたら終わりです」 「大丈夫だよ。こんなに早く来る生徒は僕ぐらいだから」 本来ならば授業は8時30分からだが、僕はいつも7時前には教室に到着している。友達にはかなり早いと言われるが、家にいても暇だし、僕の生活リズムでは普通だったりする。 足音はこちらに近づいてきて僕たちがいる教室を通り過ぎていった。 「すごいビビっちゃいましたよ。内臓が飛び出るかと思いました」 「先生でしたね。てかあまりグロいことは言わないでくれますか、両親に言うよ」 すみませんとまた土下座をしそうになったが、通り過ぎたばかりでスライディング土下座の音で気づかれると面倒だったのでやめてもらった。これは上下関係が構築されてしまったのではないか。 通り過ぎた足音はもう聞こえなくなったので続きを話してもらうことにした。 「えー、あなたの両親、もっと言うと全国の親御さんたちには言わないで欲しいんです」 「それはどうして?」 サンタクロースはオホンと一度咳払いをして続けた。 「実は子供が生まれた親御さんのもとにはサンタクロース総会から許可書などを同封した手紙が送られているんです」
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