第2話

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「こうなると更に綺麗でしょう?」 「わぁ本当です、色んな光を反射させて吸いこまれそうです」 多分五分くらい眺めていたが、ずっと見ていられるくらいの輝きだ。 その間ノブちゃんはカラーストーンを何粒か並べ始めた。 「今度は舞台ドレスを来たダンサーです。あなたは一番いい席から見ています。ライトを浴びて魅惑的な女性と食事に行けますが、誰と行きたいですか」 カラーストーンをこんなに間近で見る事がないので、テンションが更に上がってしまうが、その中でも赤い石は気になった。 ルビーなのだろうか?と思うと自然と神崎君を思い出す。 一つずつルーペ越しに見てもやはり神崎君……いや、ルビーが一番魅力的だったので、前に差し出して自ら理由を伝える事にした。 「この人の衣装は最高です。ライトを浴びて濃く輝きが増し、少し黒い柄が入っていますが、これぐらいなら『あじ』な感じがしました。身体もスタイルも抜群だし、この人がいいです」 「ほぉぉ……なるほど」 にっこりとノブちゃんは石を下げた。 その後も色んなテーマを出されて石を見ていくが『女性』が必ず絡んでくる。 ただ、綺麗な石に沢山触れていると落ち着くし、いつまででもゲームに付き合えそうだ。 「ごめんね、沢山見せ過ぎて疲れたでしょ。この辺で今日は止めておきましょう」 駐車場に戻ると運転手さんから飲み物を手渡れ、お礼を言って受け取る。 「メイちゃんとのゲームは本当に楽しいね。誰も今まで付き合ってくれなかったから」 ノブちゃんは楽しそうにずっとその事を話していたので、私は相槌を打ちながら飲み物を口に含む。 「因みにメイちゃんはあれからどう過ごしていたの?」 不意にドキッとする話を振られたが、つい流れで今までの事を簡潔に話していた。 もちろん神崎君の事は言えないけど。 「ふふっ、行動が極端で妻にそっくりだ。ではあと何日かお休みなんですね、誰にも言わないので新しい番号も聞いていいですか?」 もう言われるままに教えていたが、代わりに私もサラリと彼の様子を聞いてみた。 「あの、拓斗は変わりないでしょうか……」 「アヤツはあれから『私だけ』連絡が取れません、他の者とは少し取れているみたいですが」 笑いながら答えているが、大丈夫なんだろうか仕事に影響したりしないんだろうかと、こちらの方がドキドキして心臓にも悪そうだ。
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