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突然だが、僕は霊が見える。 もちろん嘘だ。このように間髪入れずに否定するのが僕の特技。 みんなは「こっちに来るな」と僕のことを敬遠してくる。なにを恐れているんだよ、僕は君たちと同じ階級だよ。安心して。なんてことを言ったらさらに敬遠された。おかしい。 そんな短い僕の輝かしい学生生活から話を戻すと、霊は見えるわけない。見えたら怖いよ。僕は普通の人間だ。 また突然だが、僕の死ぬ日は1週間前から決まっていた。 これは本当。嘘じゃない。 でも僕はこの気持ちをどのように形容したらいいのかがよくわからない。うれしい?悲しい?まあどっちでもいいや。 詳細では、僕は1週間後の8月23に不慮の事故が原因で頭の打ち所が悪く結果死に至る、らしい。 なぜ僕自身がこんなことを知っているのかといえば、お盆の時期に今は亡き祖父が教えてくれたからだ。どうも閻魔大王さまの死亡者スケジュールと呼ばれる人間が死亡し、天国地獄どちらかに逝く日が記されているノートをもっているらしい。 まさか閻魔大王さまなんかいないと思っている人はいないだろ? 今の世の中じゃ天国地獄は存在していると科学的に発表されたのだから。常識だ。 まあ僕にいつ死ぬよなんていう祖父はどうかしているのかもしれない。普通なら孫の死を楽しみに待っている祖父なんて言葉は恐怖すら感じる。 まあ向こうも向こうで天国に長くいるとこの世よりも天国のほうが何倍も良い世界だと感じているからこそ出た言葉なんだろう。 向こうは孫とどのような話をしようかと楽しみにしているのかもしれないが、僕にしてみれば死ぬ心の準備を1週間も前から準備しなくてはならないのだ。冗談じゃない。
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