懺留思念-ザンリュウシネン-

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 教室の戸を開けたらそこには、規則正しく机と生徒が並ぶ、何とも懐かしい光景が広がっていた。  すっかり老いぼれた儂にとって、約半世紀ぶりの学校の教室だ。  ただ違和感があるとすれば、儂と年齢が近そうな老人から、椅子に座る足が床に届かない小さな子供まで、老若男女、様々な人間が着席しているという点。  その時点で、儂はこれは夢だと理解した。
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