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ぼーっと、どことなく見覚えのある生徒達を眺めていると、その中のスモッグを着た幼児が儂の姿を見るなり嬉しそうに指を差した。
「あーっ、“ゴッチン”来たーっ」
……ゴッチン。確か、儂が幼少期に呼ばれていたあだ名。
その懐かしいあだ名を聞き、幼児の顔を見た瞬間、儂の記憶は鮮やかに呼び起こされた。
「キミは……もしかして、カズ君かい?」
儂の問い掛けにVサインで応えた幼児は、ワシが幼稚園の頃一番の友達だった、カズ君。
小学校に上がってからは全く会っていない。とうの昔に存在自体忘れていたというのに、今頃になって夢に現れるとは一体どういう事だ?
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