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「さあ、私だけじゃなくみんなにも伝える事があるだろ?」
安堂先生は儂の背中を押し、机に向かう生徒達と向き合わせた。
多くの視線を浴び、何を話せばいいのか手をこまねいていると、一人の生徒が椅子の上に立ち、元気よく手を挙げた。
「ねえねえ、ボクから言ってよ!」
カズ君だった。
言えと言われても何を言えばいいのか分からず、とりあえず素直な気持ちを口にする事にした。
「カズ君……。あの頃は仲良くしてくれて、ありがとう」
そのあどけない笑顔を見ている内に、フッと記憶の一部が蘇った。
「それとさ……。キミが大事にしていたロボット、あったよね」
カズ君の表情が、一瞬にして曇る。
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