隠レ坊

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「何?」 「かくれんぼしようよ」  突拍子もない男の子の申し出に、キョトンとする女の子。 「ごめんね。私、忘れ物取りに来ただけだから」 「お姉ちゃんの忘れ物、ボクが隠したよ」  その予想だにしない発言に、女の子はさすがに焦燥せずにはいられなくなります。 「ちょっと、何言ってるの? ふざけないでよ」 「返して欲しいなら、ボクとかくれんぼしてよ」  そう言うと男の子は首を90度回し、横顔を女の子に向けました。その顔は無表情で、瞳にも光が宿っていません。そんな男の子にただならぬ迫力を感じた女の子は、 「……わかったわ。かくれんぼ、してあげる」  とうとう根負けし、男の子に付き合う事にしました。
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