5人が本棚に入れています
本棚に追加
/11ページ
「何?」
「かくれんぼしようよ」
突拍子もない男の子の申し出に、キョトンとする女の子。
「ごめんね。私、忘れ物取りに来ただけだから」
「お姉ちゃんの忘れ物、ボクが隠したよ」
その予想だにしない発言に、女の子はさすがに焦燥せずにはいられなくなります。
「ちょっと、何言ってるの? ふざけないでよ」
「返して欲しいなら、ボクとかくれんぼしてよ」
そう言うと男の子は首を90度回し、横顔を女の子に向けました。その顔は無表情で、瞳にも光が宿っていません。そんな男の子にただならぬ迫力を感じた女の子は、
「……わかったわ。かくれんぼ、してあげる」
とうとう根負けし、男の子に付き合う事にしました。
最初のコメントを投稿しよう!