隠レ坊

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「じゃあボク、隠れるね。お姉ちゃんは教室を出て百数えて。もちろん中を覗いちゃダメだよ」  隠れる範囲はこの教室内だと分かった女の子は、「はいはい」と返事をし、教室を出ました。  教室内だったら隠れられる場所は限られている。だからすぐに見付けられる。女の子はそう思い内心ほくそ笑みました。  早く終わらせようとすぐに扉に寄り掛かり、1から数を数え始めます。 「--98、99、ひゃーくっ」  数え終えると、女の子はかくれんぼのお決まりのフレーズをやや大声で言いました。 「もーいいかい?」  すると扉の向こうから、 「--まぁだだよ」  これまたお決まりのフレーズが返ってきました。 「もういいかい?」 「--もういいよ」  女の子は待ってましたとばかりに教室の戸を開けました。
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