隠レ坊

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 まさかと思い、女の子は窓の外に視線を移しました。  あの年頃の男の子なら、意地でも見付からまいと無茶をする可能性もある。ここは3階。何かあっては大変だと、女の子はすぐに窓を開けようとしました。   だが、開きません。どの窓にも鍵がかかっているのです。それはつまり、男の子は外には出ていないという事を意味しています。  完全に姿をくらました男の子に、とうとう頭を抱え混乱し始める女の子。それでも呼吸を整え、慎重に思考を巡らせます。  数を数え終えた時点で声はしたのだから教室内にいるのは間違いない。  ひょっとして、ロッカーを調べている隙にそっと教室を抜け出したのかも。  そうだ。そうに決まっている。私はまんまと男の子にハメられたのだ。  その考えに行き着いた女の子はガックリ肩を落とし、忘れ物は諦めて帰ろうとした、その時でした。 『ねえ』  どこからともなく、男の子の声がしました。
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