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『ボクはここだよ』
『早く見付けてよ』
『ほら、もっとよく探して』
それも、あちらこちらから。
声はすれど姿は見えない男の子に、もはや恐怖を覚え足が震えだす女の子。
「どっ、どこよっ!? イタズラはやめてよっ!」
すると、
--ピリリリリリリ
今度は機械音がしました。
女の子はその音にハッとしました。
この音は、この教室に取りに来た、忘れ物の携帯電話の着信音に違いない。
音を頼りに、とある机に歩み寄る女の子。
椅子の背が邪魔で中は見えませんが、確かにこの机の中から音がしています。
女の子は椅子を引き、身を屈めて机の中を覗きました。すると、
「…………!?」
薄暗い奥の方で、ひとつの眼球が、女の子をギョロリと見つめていました。
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