満ち足りた毎日

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満ち足りた毎日

教室の戸を開けると、そこには、いつもの顔ぶれのクラスメートがいた。 ボクは戸を閉めた。 「みんな、おはよう!」 できる限り元気にあいさつをした。 「本城君、おはよう!」 みんなのあいさつがうれしい。 「あ、本城君、昨日はありがとう!」 「テストに出ただろ、いつものパターンだよ」 「すごいね、ホントにありがとね」 と、こんな感じで一日が始まる。 ボクは学年でもトップクラスの成績だ。 飛び級制度でもあったら、とっくに卒業していると思う。 「始業のチャイムだな」 教室の戸が開いた。 先生が来たようだ。 「起立!」 「礼!」 「おはようございます!」 「着席!」 いつもの光景だ。 「おーい、本城、いくら勉強ができても、授業態度が悪いぞ!」 みんな、クスクス笑ってる。 「はーい、気をつけまーす!」 窓の外を眺めていたら、いきなり注意されてしまった。 最近どうも身体の具合がおかしい。 痛くもかゆくもないんだけど、だるい感じかな? 最近の満ち足りた時間のせいで、幸せボケにでもなったのかな? 先生が言った。
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