ぼくらのミライ

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そこにいたのは俺のクラスメイトで。 「なんでお前が……」 「やっと直った。とりあえず、片道だけは飛べるから」 入り口で呆然とする俺の首根っこを掴んだ山田は、有無を言わさずグイグイと俺を球体の中へと押し込む。 「なっ! 待てよ! 俺は……」 「戻る気無いとか言うつもり?」 山田はいつもと同じ無表情で俺を押す。 「今日しか飛べない。早く行け」 「っ……てめー、話聞け…」 「オレ達を、助けてくれよな。クソじじい」 聞こえたその言葉に驚いて。 俺たちはこの一年間、完璧にクラスメイトをやれていたはずだった。 そんな俺のことはお構いなしに、結構な力で押し込まれた狭い空間に呻きながらも振り返る。 自動で扉のロックがかかると、外の音は完全に遮断された。 最後に見えたのは、柔らかく微笑んだ顔と『じゃあな』と言った唇の動き。 「ゆうと!!」
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