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バシッ!
隣の席に座っていた奴の頭を、思いっきり叩く。
クラス内の空気は凍ったが、奴だけは作業中だった手を止め、静かに首だけをこちらに向けた。
「何すんだ」
「『何すんだ』はこっちのセリフじゃ! 毎日毎日、わざとらしく俺の机にタンポポばら撒きやがって! 当てつけがましいんだよ!」
わざわざ珍しいシロバナの方を飾るのにも腹が立つ。
「大体元はといえば、お前がサボっていたからこうなったんだろーが!」
仕事押しつけんな! と叫べば、奴はそれまでギリギリ保っていたらしい真面目そうな顔を一気に崩して、眉を八の字にしてみせた。
ああ、情けない。
「しょーがねーじゃん! オレだって忙しかったんだぞ!?」
「皆で真面目に取り組んだ文化祭の準備期間を、ギターとマンガとサイクリングに浪費したお前から聞く、忙しかったという言い訳を正当な理由として俺は一切認めん!」
「ひでー! オレら友達・・・・・・いや、親友だろ? 手伝ってくれてもいーじゃねーか!」
大層嘆いてみせるオトモダチではあったが、自業自得である。誰が手伝ってなぞやるものか。
ンな事言っている暇があるなら、さっさと折り紙折って、教室の飾り付けを完成させやがれ。
まあ、その後で周りで笑いをこらえていたクラスメイトたちが、散々哀れっぽく泣いてうるさい奴を慰めながら手伝うという、寛大な場面に触れたせいで、不覚にも手伝ってしまったのだが。
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