あらすじ

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                あらすじ  秋葉原の雑居ビルにある喫茶店(エンジョイカフェ・ピーチヴィレッジ)。素人が創った小説やイラストの同人誌を販売している、同人誌喫茶である。オーナーの五十嵐凛子は、かつて失語症でうまく話せなかったが、オタク文化と出会うことで、たどたどしいが会話できるようになった。  とある日曜日の夕方。いつもの常連たちが訪れた。ネットカフェ店員の三島国雄。創作学校のノベルス科に在籍している鳴神晴信と、岩崎寛吉、真壁千尋。店員でウェイトレスの九条美沙。そして同人の評論集を出してる百鬼結紀。凛子も加わった七人は、オタク文化について話し、盛り上がる。  そこでアキバで連続しているイタズラ犯の話が出た。中央通りに面した店舗や学校に対して、先ほど四回目の犯行が行なわれたところだった。一回目と二回目は、ウソの通報で救急車が呼ばれた。三回目は、晴信たちが通う学校で非常ベルが押された。四回目は、パソコン関連ショップで発煙筒が焚かれた。皆は愉快犯によるイタズラだと決めつけるが。結紀はそれに異を唱える。そこからみんなで、犯人の動機と目的を探る推理大会になっていく。結紀は、救急車や消防車が現場に駆けつけたルートまでも割り出して、詳細に事件を炙り出していくが。皆はイタズラ以外の犯人像を思いつけない。だがその時、寛吉と凛子の会話から、結紀は事件の真相にたどり着く。犯人がニセ通報で救急車や消防車を呼んでいたのは、歩行者天国に突入して大量殺人を行なうため、侵入経路にある車止めのどかし方を、知りたかったからだった。犯行当日、結紀たちは警察には通報せず、仲間を集めて静かに拒否の態度を示すことで、犯行を阻止する。後日、ネットに犯行予告していた犯人は逮捕された。犯人に未来がないことに「あれで良かったのか」と悩む結紀に対して。「それは誰にも答えられない」と凛子は言うのだった。
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